最後の卒論。~ジャニーズの負け犬だった関ジャニ∞が金のなる木に成長したわけ~【前編】
大学4年生の皆さん、そうでない皆さん、
卒論の時期ですね。
私も無事提出しました!
大学には音楽業界についての論文を提出したのですが、
本当は関ジャニ∞についての論文が書きたかった…!
ので、はてなブログに提出しちゃおうと思います。。
私は大学の4年間、簿記だったり経済学だったり経営学だったり、あとは統計学とかWebデザインとかも…
まぁ要はビジネスについてのお勉強をしてました。
その中で専攻していたのがマーケティングなので
「関ジャニ∞のマーケティング」について分析したいと思います!
…と、その前に!
もしかしたら「マーケティング」という言葉自体、
初めて聞く方もいらっしゃるかもしれないので
一応説明しておくと、
マーケティングとは、簡単に言えば「商品が売れるためにはどうしたらよいか」を考えることです!
今回の場合だと、商品は「関ジャニ∞」になります。
ですが、今回は「関ジャニ∞が売れるためには」というよりは
「これまで関ジャニ∞がどのようにして売れてきたのか」を
マーケティングの観点から考察していきたいと思います。
では、早速本題に入っていきたい…ところですが、
その前にもう一つ!
注意事項として
一、タイトルに「卒論」と記載されておりますが、当方、関ジャニ∞から卒業する予定は全くございません!
一、私は関ジャニ∞のデビュー当時からのファンではなく、また業界関係者でも何でもない為、事実と異なる記述がある可能性があります
一、マーケティングの知識についても未熟な点が多々あるので確証のない、一考察としてお読みください
一、これはこのテーマで卒論が書きたかった私による完全なる自己満ブログです
以上の点をどうかご了承ください。
さて、本文に参りますm(_ _)m
まず、「ジャニーズの負け犬だった関ジャニ∞が金のなる木に成長したわけ」というサブタイトル、
かなりキツい表現に見えますが
これもれっきとした経営学の用語です。
「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(通称:PPM)」といって、
その事業が会社においてどの位置にあるか、という分析方法です。
そのポジションの種類は全部で4つ、
少ない投資で大きな収益を得ることが出来る安定したポジションの
「金のなる木」(今のジャニーズでいえば嵐や関ジャニ∞)、
売り出し真っ最中でお金もかかるけどちゃんと結果も出してくれている
「花形」(今ならキンプリやストスノとかかな)、
いっぱい投資して頑張って売り出してるんだけど
なかなか利益が得られない「問題児」、
そして投資も少なければ利益も少ない「負け犬」
と分かれています。
表にするとこんな感じ。
https://www.profuture.co.jp/mk/column/6149より画像を拝借しました。
このように企業は問題児から花形→金のなる木へとなるのを目指していきます。
華々しいデビューが話題になっていますが、
関ジャニ∞のデビューといえば
デビュー会見はレコード会社の屋上、
衣装はペラッペラの法被1枚、
更には雨漏りしてるスタジオで撮影した白ホリバックのMV…。
そしてデビューシングル「浪花いろは節」の初動(関西限定)は3.8万枚…。
まぁ見事なまでに負け犬だったわけですよ…。
そんな負け犬たちがどうやって金のなる木まで這い上がってきたのか、
ここから先は私的に関ジャニ∞のターニングポイントとなったのではないかと考える部分を分析していきたいと思います。
デビュー
上記にもある通り、関ジャニ∞は負け犬デビューだったわけですが、
しかし、マーケティング的にはかなりインパクトのあるデビューであったと思います。
そこで、マーケティングの基礎中の基礎でどの商品を売り出すときにも必ずと言っていい程行われる
「STP」と「マーケティング・ミックス」という考え方を使って分析していきたいと思います。
「STP」とは、Segmentation、Targeting、Positioningの頭文字を取ったもので、
まず最初にアイドル業界やファン層といった市場を細かく分け(Segmentation)、
次にその中で売り込みのターゲットにする客層を絞り込みます(Targeting)。
そしてそのターゲットにどういう位置づけで売り込むのかを決める(Positioning)、
という考え方です。
特に関ジャニ∞はこのPositioningが明確に出来ていたと思います。
関ジャニ∞のPositioningは
「関西人ならではの面白さを売りにしたアイドルグループ」
といったところでしょうか?
他のアイドルと比べてみても
お茶の間に分かりやすく、そしてかなり異質な位置づけですよね!
SegmentationとTargetingは運営側が行う事なので正確には分かりませんが、
このPositioningから考えれば
ターゲットは”関西人”とか”お笑い好き”とかでしょうかね。(←本当は年齢層とか細かく決めなければいけません)
Segmentationは長くなるのでやりません(-_-)
続いて「マーケティング・ミックス」ですが、
こちらもProduct(製品)、Price(価格)、Promotion(広告・宣伝)、Place(流通)の頭文字を取って
「4P」と呼ばれます。
ここでは、STPでターゲットとポジションを決めた後に
具体的にどんな製品で、どれくらいの価格で、どのような宣伝で、どういった販売方法で
売り出していくのかを決めていきます。
この4Pでも他のアイドルとは違う、面白い分析ができます。
まずProduct(製品)について、
ここにおける製品とは「関ジャニ∞」というグループを指しますが、
もっと細かく彼らの特徴をみてみると、
・メンバー全員が関西人
・演歌
・法被を着て太鼓を叩きながら歌う”お祭り”、”和”といったイメージ
・前へ前へと笑いをとりにいく姿勢
・メンバー2人が別グループと掛け持ちで活動をしている
などが挙げられます。
普通、アイドルの特徴といえば、
カッコイイ・イケメンとかダンスが上手いとか若いとか
そんなところでしょうか。
ですが、関ジャニ∞はそういった見た目やスキルの部分ではなく、
お茶の間の目にも分かりやすいキャラクター性だったりパーソナルな部分を
売りにしていることが分かります。
次にPrice(価格)ですが、
CDやチケットの価格などは
基本的に相場が決まっているので
ここでは割愛させていただきます。
そしてPromotion(広告・宣伝)、
これも他のジャニーズと同様、テレビやラジオなどの出演が主となりますが、
他と比べるとまぁ推しは弱い。笑
でも「関西人」を売りにしたことが功を奏し、
関西ローカル局での仕事を優先的に貰えていたのは
他のジャニーズと違う点ですよね。
最後にPlace(流通)では、
デビューシングル「浪花いろは節」を例にすると、
「関西限定販売」という大きな特徴がありました。
まぁ関西限定発売の1ヶ月後に全国発売されているので
先行販売という位置づけなのでしょうが、
売り方としてはあまり賢明とは言えません。
というのも、芸能界において結構大事な”記録”。
初動記録が分散してしまう上に、1度目のデビューは流通チャネル(流通経路)がかなり狭まってしまった結果になりました。
と、ここまで話を進めていく中で、
「他のアイドルとは違う」「他のジャニーズとは違う」などといった表現が度々みられたと思います。
そう!そうです!
それこそが関ジャニ∞が売れた要因の一つと私は思います!
この「他とは違う」のがマーケティングにおいてめちゃくちゃ大事なんです!
マーケティング用語では「差別化(を図る)」と表現します。
ライバルと差別化をし、
消費者に「何か他とは違う…!」と思わせるのは
アイドルにおいても大事なことだと思います。
1度目の47都道府県ツアー
デビューした後も大阪を全面に出した楽曲をリリースし、
正統派アイドルとして活躍する先輩や同世代を横目に
低空飛行を続け、3年後…
2007年にジャニーズ初の47都道府県ツアー「関ジャニ∞ えっ!ホンマ!?ビックリ!!TOUR 2007」を開催し、
約5ヶ月間にわたり、113公演のライブを行います。
これは先程のマーケティング・ミックスのPromotionにあたりますが、
事務所にあまり投資して貰えなかった彼らは
”ライブ”という方法を選んだ、というわけです。
この選択もまだ市場シェアが少ない関ジャニ∞にとっては正解だったと思います。
テレビのメリットとしては、1回の出演で多くの人に見てもらうことができる。
しかし、リーチ(発信者から視聴者までの距離)が長く、視聴者にちゃんと届いているのかが分かりにくいのがデメリットでもあります。
その点、ライブでは一度に見せられる人数は限られていて、数をこなさなければならないけど
その分お客さんとの距離が近く、生の反応が分かる。
地道だけどテレビよりは確実性がありますよね。
また、通常ジャニーズのライブではファンクラブに入っていないとチケットを取る事が出来ませんが、
47都道府県を回り、地元にもやってくるということで
そのハードルが少し低くなったと思われます。
そして同年リリースされ、後に彼らの代表曲となる
「ズッコケ男道」と共に
ここから関ジャニ∞の快進撃が本格的に始まっていきます!
初めてのバンド形態でのリリース
次のターニングポイントとなったのは
2010年に初めてのバンド形態でのリリースとなった
「LIFE~目の前の向こうへ~」です!
この背景には
「ズッコケ男道」をはじめ、
「イッツマイソウル」「ワッハッハー」「無責任ヒーロー」「急☆上☆Show!!」と
大阪ご当地ソングから抜け出しながらも
彼らの色を活かした”関ジャニ∞らしい”曲を次々とリリースし、
世間にも「関西の面白い兄ちゃん達」といった
認知度を高めたことが関係しています。
「LIFE~」のリリース以前も
ライブではバンド演奏をしていましたが、
シングルとして世に出すことで、
「関ジャニってバンドできるんだ!」「ただのおちゃらけたグループじゃないんだ!」
という印象を与えたことでしょう。
アイドルではコンセプトを変えたり路線変更をしたりすることはよくあることですが、
あくまでも彼らは変えたのではなく、足すという形で
既存のファンにも、新規にもアプローチをしたのが
なかなか普通では出来ないことをやっているなぁと感じます。
ここではSWOT分析というマーケティング理論のお話をしたいと思います。
これもまたStrengths(強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取ったものなんですが(笑)、
簡単にいえば、
関ジャニ∞の強み・弱み・(ビジネス)チャンス・ライバル(競合)に分けて
関ジャニ∞として伸ばすべきものと克服すべきものを考える方法です。
これをざっとエイトに当てはめるとこんな感じですかね。
これに「バンド」が足されると
新しく強みが増え、正統派J-ROCKをやることで弱みもカバー、
さらにいい意味で世間のイメージを裏切る機会になり、
ライバル達とも差別化が図れる。
彼らは現状に満足せず、自分達の強みを増やして
高みを目指していたことが分かります。
…と、こんな感じでまだまだ分析していきたいのですが、長くなりそうなので、
ここまでを【前編】とし、
【後編】に続きを書いていきたいと思います!
ここまで読んで下さりありがとうございます!
よかったらぜひ【後編】も読んで下さると嬉しいですm(_ _)m